奇跡のオイルと言われる、インドの家庭に必ずあると言っても過言ではない「ギー」について紹介したいと思います。
日本ではまだまだ知名度は低く、名前を聞いたことが無いという方も多いかと思います。
しかしながら、美容や健康に良いとされる栄養素や、抗酸化作用のあるビタミンなども豊富に含まれています。海外では質の良いオイル(脂質)として認知度が高まっています。
そんな健康志向の人を中心に「奇跡のオイル」として話題になっているギーとはどのようなものなのか、その特徴や効能についてご紹介します♪
「GHEE(ギー)」とは
無塩バターを煮詰めて、水分・乳たんぱく質(カゼイン)・乳糖(ラクトース)を取り除いた、純度の高い溶かしオイルです。
アーユルヴェーダでは、ギーには「1000の使い道・1000の効果がある」と言われ、「活力の素」として古くから重宝されてきた奇跡のオイル!
本場インドでは、日常的に食用として使用するのはもちろんの事、傷や皮膚のトラブルの際に肌に塗ったり、アーユルヴェーダの治療として、目の浄化に使ったりと用途は多岐に渡り、まさに無くてはならないオイルなのです。
そんな「最も純粋で優れたオイル」と言われる「ギー」ですが、実は家庭で簡単に作ることが出来ます!最近は市販の物も入手できるようですが、手作りする事で作り手のエネルギーも注がれて断然美味しいです^^意外と簡単なので、ぜひ作ってみてください♪
ギー(GHEE)の作り方
【用意するもの】
1. 無塩バター(グラスフェッドバターだと尚良い)400g程度※
2. 鍋
3. 濾すもの(コーヒーフィルターやキッチンペーパーなど)
4. 耐熱性の保存容器
※400g以下だと焦げやすいので400g以上が作り易くおすすめです。
【作り方】
1. 鍋に無塩バターを入れ弱火~中火で温めます。バターに手が触れないように、そっと鍋に移しましょう。
2. バターが全て溶けるとクリームのような泡が出てきます。混ぜると濁ってしまうので、白い泡が出てきても混ぜないようにしましょう。
3. しばらくすると、パチパチと弾ける音と共に、どんどん泡が出てきます。
4. クリーム状の泡が消え、音がシュワシュワというかすかな音になったら(パチパチ音が消えたら)火から降ろします。泡やアクのような物が表面にありますが、その下のオイルが黄金色に透き通り、鍋の底に沈殿物がある状態が目安です。
5. 粗熱が取れたら、キッチンペーパーやガーゼをのせたザルか、コーヒーフィルターなどを使って、濾しながら保存容器に移したら、完成です!冷蔵庫には入れず、常温で保存しましょう。出来たては黄金の液体状ですが、しばらくするとどろっと溶かしバターのようになります。
ギーの特徴
それでは、バターの純度を高めたものであるギーには、どのような長所があるのかご紹介していきますね♪
常温での長期保存が可能
ギーは、バターから水分、タンパク質、糖分などの不純物を取り除いたものなので、約99.8%は脂質と極めて純度が高く酸化しません。なので、常温での長期保存が出来ます。
インドでは一生腐らないとも言われているようで、100年もののギーも存在するそうです!
またギーは日が経つにつれ熟成し、効能も増して味わい深くなります。
乳糖不耐症でも摂取可能
ギーは、加熱する過程で、カゼイン(タンパク質)とラクトース(乳糖)が除去されているので、基本的に乳糖不耐症の方でも摂取できるといわれています。牛乳を飲むと決まってお腹がゴロゴロしてしまう、という方でもギーは安心です。
脂質のバランスに優れている
日々摂取する食用油の多くは長鎖脂肪酸でできていて、消化に時間がかかり体脂肪として蓄積されやすいという特徴があります。一方で、ギーは中鎖脂肪酸を多く含みます。この中鎖脂肪酸は、摂取するとすばやくエネルギーに変換されるので、体脂肪として蓄積されにくいという嬉しい性質を持ちます。
また最近よく耳にするオメガ3という、体内では生成されない必須脂肪酸も多く含まれています。オメガ3を摂取することにより、悪玉コレステロール値を下げ、中性脂肪を減らしたり、美肌効果、アレルギー抑制効果等の嬉しい効果が研究で明らかになっています。
他にもギーにはビタミンA(カロテン)、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンが豊富に含まれています。
以前は油抜きダイエットといったような極端なダイエットが流行ったりもしましたが(心も体もカサカサになってしまいますね・・・恐ろしい!)近年では良質な脂質を取り入れる事の重要性が説かれています。いつもの油をギーに変えてみるだけで、色々な変化が感じられるかもしれません♪
バターよりも焦げにくい
バターに比べて発煙点が約230度と高いので(バターは約180度)、揚げ物や炒め物にも向いています。
アーユルヴェーダ的な観点からみたギー
ギーは全てのドーシャ(体質)のバランスを整えてくれると言われています。
また心に調和をもたらしてくれるサットヴァ(純性の高い)な食べ物であり、オージャスという生命エネルギーを高めてくれる素晴らしいオイルと言われています。
本場インドでは食用として使用するのはもちろんのこと、顔や体に塗ったり、傷や火傷などの軟膏としても使われます。またネトラバスティと言って、アーユルヴェーダの治療の一環として、目の周りに小麦粉で土手を作りその中にギーを温かいギーを溜めて目を浄化するという使用方法もあります。
食して内側から、また外用薬として外側からも滋養と潤いを与えてくれる、まさに奇跡のオイルと呼ばれるに相応しいオイルですね!
ギーのおすすめの使い方
食用として
- トーストなどにバター代わりに。香ばしく甘い香りで幸せ気分に。
- 白湯、ハーブティー、チャイ等飲み物に垂らして
- スープやお味噌汁に加えると風味とコクがアップ!
- お菓子作りに加えてヘルシースイーツに
- 炊いたご飯(ジャスインライスなどでもgood)にかけてバターライス風に
- ギーを熱して焼きバナナや焼きリンゴに
食用以外の使い方
- 火傷や引っ掻き傷などの回復を早めます
- 保湿オイルとして顔や体に潤いを与える
- 爪や甘皮に塗りこんで爪の強化、乾燥対策に
- 目の上に、温めたギーを浸したコットンを置いてアイパック
- 唇にラップパックでしっとりツルツルに
- 毛先のパサツキ解消にほんの少し髪の毛に
体験談
最後に、私自身の経験談を少しだけお話させて頂きたいと思います。
私自身ピッタの性質を強く持っているので、結膜炎になったり、目の疲れや眩しさを感じたり、と目のトラブルが多いのですが、つい先週、コンタクトを使用していて、目を乾燥させてしまったことが原因で、目が痛くなってしまいました。コンタクトも入れられないくらい痛くて涙が止まらなくなってしまいました。
そういったコンタクト使用による目のトラブルは以前からあったりしていて、いつもだと「ああ、このまま行くと結膜炎になってしまうのかな?眼科に行かなければいけないかな」なんて思っていたのですが、そこでふとインドのアーユルヴェーダスクールでネトラバスティの実習をした時のことを思い出しました。そして目にギーを入れてケアしてみることにしました。
今回は画像の写真のように本格的に土手を作って行うネトラバスティではなく、(自分で土手を作って自分の目に垂らすのは不可能なので^^:)、清潔なスプーンを使って点眼してみました。目にギーを入れるのはかなり久しぶりだったので、少しドキドキしたのですが、全くしみたりはなくむしろ心地良い感覚でした。
そして結果、驚くことに痛くてゴロゴロして違和感だらけだった目の痛みと涙がピタッと止まりました。これには正直驚きました。薬効効果があるとは知っていましたが、痛めてしまった目にこんなにも効くとは嬉しい発見でした。
それ以降、毎日目にギーを点眼しているのですが、目の疲れやすさが軽減してきたり、白目が澄んでくるなど、嬉しい変化を感じています。
日本では、他人の目に何かを入れる事は医療行為になってしまうので、注意しましょう。また目にご自身で入れてみる場合は、毎回煮沸消毒した清潔な道具を使うことが大切です。目にギーを入れる使用方法は、あくまで私自身の体験の共有として、ご参考程度にお読み頂けましたら幸いです。
食べても塗っても素晴らしい効果ばかりのギーなのですが、家庭でも比較的簡単に作れるので、ぜひギー作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?日常生活にギーを取り入れることで、色々な嬉しい変化が期待できると思います^^
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